Shopify(ショッピファイ)は、誰でもネットショップが構築できる世界的に人気なプラットフォームです。そこで今回は、このShopifyの機能や料金プラン、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。
Shopify(ショッピファイ)とは
Shopify(ショッピファイ)とは、誰でも自分だけのネットショップを開設できるプラットフォームです。2006年にカナダでサービスを開始して以降、2020年時点で世界175ヵ国、170万以上のネットショップが運営されています。個人事業主~大企業まで利用可能であり、ヤマハやサンリオ、ネスレ、Fancfrancなど幅広い業種で大手企業が導入しています。
月額制であるため自社でサーバーを用意する必要がなく、拡張性の高さから自由にネットショップをつくり、運営できることが魅力です。また日本語はもちろん、幅広い言語や通貨、海外配送にも対応しているため、海外に向けて事業を展開したい方にもおすすめのサービスです。
Shopify(ショッピファイ)が注目される理由
今Shopify(ショッピファイ)が注目される理由としては、事業者の大手モール離れが挙げられます。一般的に、事業者がオンラインで商品・サービスの販売を始める場合、日本ではAmazonや楽天といった、いわゆるECモールへ出店することが多くなります。
しかしこれらのモールは、モール自体の知名度が高く、消費者は「Amazonで買った」「楽天で買った」といった認識になり、自社のブランドの認知度を上げにくいのが現状です。モール自体への集客力は高いため、事業を立ち上げたばかりであればモールに出店する利点は多くありますが、ある程度リピーターやファンを獲得していれば、独自のサイトを設けた方が利益が出やすくなります。
一方でShopifyは、独自のネットショップ構築に長けており、完全に裏方に徹してサポートを行ってくれます。そのため、モールからの独立を希望する事業者から、支持が高まっているのです。
Shopify(ショッピファイ)の主な機能
Shopify(ショッピファイ)の主な機能としては、以下のものが挙げられます。
- テンプレートによるECサイト構築
- SNSからの商品販売
- POSアプリによる対面販売
- 商品・在庫管理機能
- マーケティング機能
- 分析・レポート機能
- アプリを活用した機能拡張
- Webホスティング
- モバイルアプリ
では、次の項目で詳しく見ていきましょう。
テンプレートによるネットショップ構築
Shopify(ショッピファイ)でネットショップを構築する場合、自身の店に合ったテーマやテンプレートをカスタマイズするだけで構築が可能です。無料で利用できるテンプレートの数は少ないものの、サイトをどのようなデザインや配置にすればいいか分からない方でも安心してネットショップがつくれます。
またショッピングカート機能も充実。セキュリティレベルが高く、多言語に対応しているほか、100種類以上の決済サービスが利用できるため、決済方法によって購入者が制限される心配もありません。
SNSからの商品販売
Shopify(ショッピファイ)では、構築したオンラインストアだけでなく、SNSなどさまざまな媒体から商品が販売できます。直接販売ができる主な媒体は以下の通りです。
- Facebook(Messengerを含む)
- TikTok
- Amazon
- eBay
- 楽天市場
- Google Shopping など
また、後ほど紹介する機能拡張により、上記の媒体以外にも新たに販売経路をつくることも可能です。それぞれの媒体で商品を見た消費者がそのまま商品を購入できるため、購入機会を逃さず、新規顧客の獲得にもつなげられるでしょう。
POSアプリによる対面販売
Shopifyは、店舗や対面販売にも対応可能です。すべての料金プランで店舗販売管理用のアプリ「Shopify POS」が無料でついており、スマホやiPadにアプリをインストールするだけで、総合的な顧客管理を実現できます。
また有料プラン「POS Pro」に切り替えれば、高度な在庫管理システムや分析機能なども使えます。実店舗での販売やフリーマーケット、ポップアップショップなど対面での販売も検討している方におすすめの機能です。
商品・在庫管理機能
Shopifyでは、商品・在庫をスムーズに管理するために以下のような機能が搭載されています。
- 在庫数の表示・追跡
- 商品登録数無制限
- 在庫が無くなると商品販売が自動停止される
- サブスクリプションへの対応
- デジタルコンテンツのダウロード販売
マーケティング機能
集客力を高めるマーケティング機能としては、以下のような機能があります。
- 顧客の基本情報や購入履歴からグループを作成しデータ活用
- メルマガやカゴ落ちメールの配信
- スマホから顧客への連絡が可能
- クーポンやディスカウントによる販売促進
- ドロップシッピングビジネスの設定
- 商品のレビュー管理
- SEO(サイトマップの自動生成も含む)
- Googleショッピング広告との連動
メルマガに関しては、テンプレートを使ったメールの作成が可能であり、自動送信も設定できます。またメーカーから直接発送する小売の形態である、ドロッピングビジネスも行えるため、在庫を持ちたくない方にもおすすめです。
分析・レポート機能
Shopifyには分析・レポート機能もついているため、サイト構築やマーケティング、商品の改善に役立てられます。管理画面のなかに「ストア分析」が標準搭載されており、売上はもちろん、集客や利益率、顧客ごとの売上、キャンペーン分析などが確認できます。
これらの情報が非常に充実しているため、基本的にはShopifyだけでおおよその経営状況は把握できるでしょう。またこれらの情報をレポートとして分析することも可能です。
また最新のGoogle分析ツールであるGoogleアナリティクス4とも連携でき、サイトへの訪問数や、どのような流れからアクセスされたのかがチェックできます。
アプリを活用した機能拡張
Shopifyではアプリを自由に開発できるためこれを使って、さまざまな機能拡張ができます。機能を追加したい場合は、アプリをインストールするだけで、大がかりな開発が必要ないため、無料または低コストで自社に適したネットショップにカスタマイズできます。
利用できるアプリは、SEO対策や商品レビュー、翻訳、検索機能などさまざまなものが提供されており、ベース機能で足りない部分を補えます。
Webホスティング
Shopifyは、簡単なセットアップだけでWebホスティング、つまりサーバーのレンタルが可能です。通信は超高速であり、セキュリティレベルも高いため安全に個人情報のやり取りができます。
また集中アクセスに耐えられることも魅力。欧米圏で一斉に大量注文がされる「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」でもサーバーダウンしません。そのためSNSによる拡散やテレビCMなどでアクセスが集中したとしても、販売機会を逃さずに売上を上げられるでしょう。
モバイルアプリ
Shopifyから無料で提供されているモバイルアプリをダウンロードすれば、スマホやiPadからもビジネスの管理ができます。注文の受付や在庫管理、発送や返品など一連の業務が外出先からもできるため、すきま時間を生かしてスピーディーな対応ができます。
またスマホアプリだけでECサイトを開設することも可能です。ただし、すべての機能がスマホに対応しているとは限らないため、基本的にはパソコンで管理を行うのがおすすめです。
Shopify(ショッピファイ)の料金プラン
Shopify(ショッピファイ)の料金プランとしては、以下の5種類が用意されています。どれも初期費用は無料で、月額料金の支払いで利用できます。またプランはいつでもアップグレードが可能です。
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify plus | |
月額料金(米ドル) | 5ドル | 25ドル | 69ドル | 299ドル | 2,000ドル~ |
月額料金(日本円) | 675円 | 3,375円 | 9,315円 | 40,365円 | 27万円~ |
クレジットカードの手数料 | 5.0% | 3.4% | 3.3% | 3.25% | 3.15% |
スターター
スターターは、ネットショップを構築せず通常のWebサイトやブログ、SNSから商品が販売できるプランです。専用の埋め込みコードをコピー&ペーストするだけで利用できます。
細かなデータ分析などはできないものの、ネットショップで最も重要なカート機能を、月5ドルで利用できるため、気軽に商品販売ができます。
ベーシック
ネットショップを立ち上げて販売するプランの中で最も低コストなプランです。商品の発送や決済の処理、在庫管理などネットショップを運営する上で、最低限必要な機能がそろっています。スタッフのアカウント数は2人分作成可能です。
スタンダード
ベーシックからやや利用できる機能が増えたプランです。ポイントとしては、アカウント数が2から5に増加、業務の自動化機能追加、レポート機能のグレードアップなどが挙げられます。
ベーシックから若干売上が伸びて事業規模を拡大する場合や、ネットショップの立ち上げ時点である程度集客が見込める場合などにおすすめです。
プレミアム
大規模なネットショップの構築に適したプランです。スタッフのアカウント数は15、配送料の自動計算、関税や輸入税の計算機能などが追加されています。またレポート機能もベーシックからさらにグレードアップしています。本格的にネットショップを運営したい場合や、海外に向けて販売を考えている方におすすめです。
Shopify plus
Shopify plusは、専任のサポートがつき、合計10サイトまで運営可能なプランです。専任のサポートからは事業戦略や管理に関するアドバイスが受けられます。そのほかバナー変更や専用サーバーの利用、BtoBストアの開設など、通常プランから一気に機能が追加されており、より大規模で自由度の高いネットショップの構築ができます。
カスタマイズを前提として大規模なネットショップを構築したい場合や、複数店舗で展開したい事業者におすすめのプランです。
Shopify(ショッピファイ)のメリット
Shopify(ショッピファイ)のメリットとしては、次のものが挙げられます。
- 海外展開に強い
- コストを抑えて運用が始められる
- 機能の拡張性が高い
- 幅広い外部連携が可能
- (集客機能が充実している)
では次の項目で見ていきましょう。
海外展開に強い
前述したように、Shopifyはさまざまな言語・通貨に対応しているため、海外で事業を行うのに便利です。利用できる言語は21ヵ国語で、それぞれの国の税金に対応し、決済、配送などもその国のニーズに合わせて設定できます。
またこれらの機能がデフォルトで搭載されているため、特にカスタマイズの必要もなく利用できることも魅力。これから海外での事業を考えている方にとって、心強い味方となってくれるでしょう。
コストを抑えて運用が始められる
前述したように、Shopifyは初期費用が無料であり、月額制であるため導入の負担を軽減して利用を始められます。スタータープランであれば、わずか月5ドルからはじめられるのも、良心的です。
また月額費用や決済手数料に関しても、ほかのサービスと比較してみると低い水準を維持しています。プランも細かく分かれており、事業の規模に合わせてグレードアップできるため、自社に適切な料金で利用できます。
機能の拡張性が高い
前述したようにShopifyは自由にアプリ開発ができるため、アプリをインストールすることで自由に拡張やカスタマイズが可能です。またアプリ同士が影響してしまうことも少なく、好きなように拡張ができます。
提供されているアプリの数は8,000を超えていることから、欲しいと思った機能はほとんどが追加できるでしょう。たとえば日本でよく使われる、「配送日時指定」や「ギフト指定」などは基本機能には入っていませんが、アプリで機能を追加できます。
またアプリストアでは、おすすめのアプリ表示やランキングなども紹介されており、自分が求めているもの以外にも便利なアプリが見つけやすくなっています。
幅広い外部連携が可能
Shopifyは外部のシステムとも連携しやすいようにつくられており、さまざまなシステムと連携することでより業務効率を高められます。連携できるシステムは顧客管理システム(CRM)、タスク管理ツール、POSシステム、マーケティング支援システム(MAツール)など。
顧客の情報管理や、マーケティングに関する業務を自動化・分析できるシステムであるため、連携を行うことで効率よく売上アップが目指せるでしょう。
集客機能が充実している
集客に役立つシステムと連携できるShopifyですが、Shopify自体にも集客のための機能が多く搭載されています。たとえばテンプレートを使ったメルマガ配信やカゴ落ちメールの配信などは、MAツールによくある機能です。
また、SEOはネット検索から新規の顧客を集客するための対策のことで、これを支援してもらえることも魅力。さらに、これらのマーケティング施策の結果は「ストア分析」で分析できるため、Shopifyだけでも十分にマーケティングは行えると言えるでしょう。
Shopify(ショッピファイ)のデメリット
Shopify(ショッピファイ)のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 使いこなすには知識や操作の取得がある程度必要
- 場合によっては英語の読み書きが必要
- 高度なサイトを構築するには知識や外部委託が必要
では次の項目で詳しく見ていきましょう。
使いこなすには知識や操作の取得がある程度必要
Shopifyは初心者でも利用できますが、誰でもお手軽にネットショップ運営ができるとは言い難いサービスです。どちらかと言えばある程度こだわりを持ってオンラインで商品を販売したい方向けであるため、多少の知識や操作の習得は必要になります。
運用する場合には、本格稼働をする前に少しずつ勉強し機能を最大限発揮できるようにしましょう。
場合によっては英語の読み書きが必要
Shopifyは元々海外で生まれたサービスであり、一次情報は英語です。もちろん日本語対応はしていますが、より最新の情報が欲しい場合は英語が読める必要があります。また機能拡張アプリも、英語で開発されたものが多くあります。
そのため、より幅広い機能を追加したい場合は英語が読め、英語で質問できる方がいいでしょう。
高度なサイトを構築するには知識や外部委託が必要
前述したように、Shopifyはテンプレートのカスタマイズでネットショップがつくれますが、テンプレートではオリジナリティを出すことが難しくなります。そのため、よりオリジナリティのあるデザインや機能を追加したい場合はTHMLやCSSの知識が必要です。
もし対応できる人材がいない場合は、外部委託でカスタマイズを依頼しましょう。またその際にはネットショップの担当者を専任で一人つくることで、二人三脚で構築が行えるようになります。
まとめ
今回はShopify(ショッピファイ)の機能や料金プラン、メリット・デメリットなどについて紹介しました。Shopifyは自社のブランドを前面に出してネットショップの構築ができるため、自社の認知度向上やブランディング、大手モールからの離脱を考えている方は、ぜひ導入を検討してください。