QRコードは、読み込むだけでさまざまな情報やURLのリンクを表示できることから、幅広くビジネスに活用できる優れものです。またQRコードは誰でも簡単に作成できます。そこで今回は、無料のQRコード作成ツール・ソフトや、Excelで作成する方法などについて、詳しく紹介します。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
QRコード3つの必要性
ビジネスにおいてQRコードが必要な理由としては、以下の3つのものが挙げられます。
- 作る側・使う側共に利便性が高い
- オフラインからオンラインへ集客できる
- 収集したデータを分析できる
では次の項目で、詳しく見ていきましょう。
作る側・使う側共に利便性が高い
まず使う側の利便性に関しては、すでに多くの方が利用し理解しているかと思います。基本的にカメラを開き、かざすだけで情報が読み取れ、URLの場合はリンクを押すだけで必要なサイトやページに飛んでくれます。
モバイル端末であれば読み取り機能が標準装備されていることも多く、新たにアプリのインストールなども必要ないため、かなり手軽で利便性も高いと言えるでしょう。またQRコードは作り方も非常に簡単です。ツールによっても多少手順は変わりますが、主な流れは以下の通りです。
- 埋め込みたいURLや情報を取得・コピーする
- 入力フォームに、URLや情報を入力する
- 作成ボタンを押す
- できたQRコードの画像をダウンロードする
作る側としても、大がかりな準備は一切必要なくマニュアル無しで誰でも簡単につくれます。また埋め込める情報量も最大7,089文字(数字のみの場合、漢字・全角かなの場合は最大1,817文字)と非常に多く、メリットが大きい方法と言えるでしょう。
権利の問題もなく利用できる
QRコードは権利の面からも自由に作成、読み取り、技術開発が可能とされています。QRコードの開発を行った株式会社デンソーウェーブは、QRコードの特許取得は行っていますが、JIS/ISOの規格に従って利用すればQRコードに権利は行使しないと明言しています。
事実今回紹介するように、QRコードが作成できるツールは多く、料金もほとんどが無料です。なお、利用する際には「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」と一文を添えるよう推奨されています。詳しくは以下のリンクからチェックしてください。
オフラインからオンラインへ集客できる
電車・バス広告、ポスター、チラシなどのいわゆるオフライン広告や名刺では、掲載できる情報量に限りがあります。とはいえ、オフラインで宣伝した商品・サービスや名刺に記載された企業・個人が気になってもわざわざWeb検索やSNS検索を行ってまで詳しい情報を知ろうとする人は多くありません。
しかしこれらのオフライン媒体にQRコードを貼ると、検索する手間を省くことが可能です。オンラインに繋ぐハードルが大きく下がるため、より多く、詳しい情報が記載されているオンライン媒体へと集客しやすくなるのです。
収集したデータを分析できる
URLを埋め込む場合は、アクセス解析用のパラメーターをつけることで、反応率を数値として確認できます。オフラインによる集客のデメリットの1つとして、どの程度の反応があったかを分析しにくい、というものがあります。
しかしQRコードを使うことでどの程度の反応があったかをある程度数値化できるため、これを分析することで次の施策にデータを生かせるようになるのです。
QRコード作成におすすめの無料ツール・ソフト7選
QRコード作成におすすめの無料ツール・ソフトとしては、次の7つが挙げられます。
- QRのススメ
- QRコード(二次元バーコード)作成
- クルクル マネージャー
- スマホでも簡単 QRコード作成
- QRコード生成ツール(パプリby ASKUL)
- QRコード.jp
- QRコードビルダー
では詳しく見ていきましょう。
QRのススメ
「QRのススメ」は、累積発行数No.1のQRコード作成ツールです。通常のURLを埋め込んだQRコードのほかにも、メール作成用、地図情報埋め込み用、設定した文章を自動で翻訳するQRコードなど、全12種類のQRコードを作成できるのが魅力です。
なかでもQRコードの中にアイコンやイラスト、文字を重ねられる「デザイン付」がおすすめ。QRコードの色なども変更できるので、ポスターなどにも使いやすいおしゃれなQRコードが作成できます。
QRコード(二次元バーコード)作成
「QRコード(二次元バーコード)作成」は、オプションが豊富で細かくカスタマイズができるQRコード作成ツールです。画像のサイズはもちろん、QRコード自体の色・背景の色変更、汚れに対する補正のレベルの調整、QRコードを囲むようにURLを表示する囲み文字、画像形式などが自由にカスタマイズできます。
QRコードに細かく条件を指定したい方に、おすすめのツールです。また入力されたURLはリンク先のチェックが行われてからQRコードに変換されるため、入力ミスも軽減できます。
クルクル マネージャー
「クルクル マネージャー」は、QRコードからアクセス解析による効果測定までをすべて無料でできるQRコード作成ツールです。作成時にアクセス解析の有無が選択でき、読み取り回数、ユニークユーザー数、読み取り場所の情報をリアルタイムで確認、グラフ表示で視覚的に分析できます。
また読み取るだけでWiFiに接続できる「クルクル Wi-Fi」、登録者にメッセージやクーポンが配信できる「クルクル チャンネル」、アプリ版のインストールが可能など、サービスが充実。QRコードを本格的にビジネス運用したい方におすすめのツールです。
スマホでも簡単 QRコード作成
「スマホでも簡単 QRコード作成」は、名前の通りスマホからでも簡単にQRコードが作成できるツールです。もちろんパソコンからでも作成できます。スマホからでも作りやすいように、非常にシンプルなデザインやレイアウトになっているのが特徴。
機能も非常にシンプルで、画像のサイズ指定を「小・中・大・特大」の4種類から選ぶだけ。スマホから手軽にQRコードをつくりたい方、難しい機能なしでごく簡単にQRコードをつくりたい方におすすめです。
QRコード生成ツール(パプリby ASKUL)
「QRコード生成ツール」は、アスクル株式会社が運営する印刷物・ノベルティグッズ販売サイト「パプリ」が提供する機能の1つです。作成したQRコードはそのままサイト内でチラシや名刺、ポスターの作成に活用できるため、1つのツール・サイトでまとめて印刷物やノベルティを作成したい方におすすめ。
また名刺情報がQRコードにできるのも特徴の1つです。会社名・氏名・電話番号・メールアドレスなどの情報を入力フォームに入力するだけで、簡単に作成できます。
QRコード.jp
「QRコード.jp」は、画像の大きさはもちろん、外側の余白の大きさも調整できるコード作成ツールです。使い方はシンプルで、URLや文章を入力してクリックするだけで簡単に作成できます。
また「詳細オプション」をクリックすればQRコードの色・背景色の変更、画像・文字列の入力なども可能。使い方が簡単で、ちょっとおしゃれなQRコードが作りたい方におすすめです。
QRコードビルダー
「QRコードビルダー」は、複数のQRコードがまとめてつくれるQRコード作成ツールです。テキストの改行・CSVファイルの活用・任意のテキスト+連番指定のなかから好きな方法で1度に100個まで(101個からは有料)作成できます。大量の印刷物にそれぞれ別のQRコードをつけたい方におすすめ。
また作成したQRコードをシールに印刷し、配送するサービスがあることも魅力。すでに印刷してしまったものに後付けでQRコードがつけられます。
ExcelでもQRコード作成が可能
最新のExcel(Microsoft 365)では、QRコードが作成できる機能が追加されています。またExcel 2016やExcel 2019だった場合でも、Microsoftのダウンロードセンターから「Microsoft Access 2016 Runtime」をインストール、設定すればQRコードは作成可能です。
ただ作り方はかなり複雑です。主な流れとしては、まずタブの「開発」→「挿入」をクリック後、右下の端に小さく表示される「コントロールの選択」をクリック。
シフトキーを押しながらドラッグして正方形の枠をつくり、表示されたバーコードを右クリックで「Microsoft BarCode Control 16.0 オブジェクト」→「プロパティ」でQRコードを選択。
さらにここに埋め込みたいデータを入力して…と非常に手間と時間がかかります。そのため、特別な理由が無いのであれば3~4ステップで作成できる、上記で紹介した無料のQRコード作成ツールの利用をおすすめします。
QRコードを活用する5つの方法
QRコードを活用する方法としては、次の5つの方法が挙げられるでしょう。
- LINE・SNSアカウントへのフォロー誘導
- 名刺に貼付
- 口コミ・アンケート収集の促進
- 会員登録・キャンペーン参加の促進
- オフライン広告への貼付
では詳しく見ていきます。
LINE・SNSアカウントへのフォロー誘導
LINE登録やSNSアカウントのURLを埋め込んだQRコードを印字したポップを、テーブルやレジ横に置いてフォローを誘導しましょう。SNSは定期的な更新を心がけていたとしても、フォロワーの増加に伸び悩むことが少なくありません。
しかし来店したユーザーにフォローを促しQRコードでハードルを下げることで、自然とフォロワーが増えやすくなります。またSNSを通じて普段の店の活動やおすすめ商品・サービスなど多くの情報が伝えられるため、リピーター獲得やファン形成に役立つでしょう。
LINEはお得なキャンペーンやクーポンなどの発信ができ、予約や相談なども気軽にしやすくなることから、こちらもリピーターやファンの獲得に繋げられます。飲食店や美容室、ネイルサロンなど、店舗を構えて商品やサービスを提供している方におすすめの方法です。
名刺に貼付
名刺には通常氏名や会社名、住所、電話番号などの情報しか掲載できません。しかし企業ホームページのQRコードをつければ、より詳しく事業やサービスについて伝えられます。商社などであれば、デジタルカタログのURLをつけることで受注にも繋げられるでしょう。
またフリーランスや自営業など個人で活動している場合は、上記のように、SNSやLINEのアカウントURLを埋め込んだQRコードでフォローに誘導するのもおすすめです。
口コミ・アンケート収集の促進
QRコードは、口コミやアンケートをもっと集めたい場合にも有効です。テーブルやレジ横に置くポップやチラシに、口コミやアンケートが直接入力できるURLのQRコードを印字すれば、口コミやアンケート記入のハードルを大きく下げられます。
またこの時、接客時に直接口コミ・アンケートの入力をお願いすることや、「アンケート入力でドリンク1杯サービス!」などの特典をつけることで、より口コミ・アンケートの収集率が上げられます。
ただしGoogleマップや食べログなど、口コミ投稿による報酬の支払いを禁止しているサイトもあるため、集め方には注意が必要です。
会員登録・キャンペーン参加の促進
会員登録やキャンペーン・抽選参加は、個人情報を提供しなければならず口コミ投稿などと同様にハードルが高いため、QRコードが有効です。会員登録であれば、たとえばお試し体験などが終わった後にQRコードを読み込んでもらうことで、店・ユーザー共に登録の手間が省けます。
またキャンペーンであれば接客したユーザーに対し、簡単にキャンペーンの紹介を書いてQRコードをつけた小さなチラシを配るのもいいでしょう。チラシ作成の手間を減らせる上、詳細な情報や入力フォームの載ったWebページに誘導できれば、参加率を上げやすくなります。
オフライン広告への貼付
ポスター・チラシ・看板・電車バス広告などのオフライン広告は、名刺ほどではないものの、掲載できる情報量に限りがあります。しかし企業ホームページやLP(ランディングページ:商品を紹介するための簡単なWebページ)に繋がるURLをQRコードとして貼付すれば、より多くの情報が伝えられます。
一昔前によくCMで見かけた「詳しくはWebで!」を、より手軽にできるのです。またQRコードは見ただけでは内容が分からないため、あえて情報を伏せることで存在感が出せます。たとえばQRコードだけを大きく印刷したような広告はそれだけでインパクトがあり、多くの人に読み取ってもらえるでしょう。
くわえて前述したように、QRコードにアクセス解析用のパラメーターをつければ、広告にどの程度の反応があったかを分析でき、次の施策に生かせます。
QRコードを作成する時のポイント
誰でも手軽につくれるQRコードですが、作成する際には次の2つのポイントがあります。
- 読み取りやすいQRコードを作成する
- 情報管理に注意する
では次の項目で詳しく見ていきましょう。
読み取りやすいQRコードを作成する
360度どこからでも素早く読み込めて、汚れや破損にも強いQRコードですが、次の条件下では読み取りにくい、もしくは読み取れなくなるため注意が必要です。
- QRコードの上にテキスト・画像・イラストを重ねる(ツールが対応していない場合)
- QRコードの色を変える
- QRコードの周囲に文字やイラストを置く(ツールが対応していない場合)
- QRコードを拡大もしくは縮小する
QRコードの色は黒の方が認識率が高くなります。色の変更自体は問題ありませんが、QRコード自体の色と背景色との組み合わせ次第では、読み取れなくなる可能性があるため注意が必要です。
またQRコードはサイズが大きいほど認識率が高くなります。ただし大き過ぎると、カメラの画面に収めにくくなるため、それぞれの媒体や文字とのバランスを見て適した大きさに調整しましょう。
作成したものは読み取りができるか再度確認
このようにQRコードは条件によっては読み取れないことや、そもそもURLが間違っている場合などもあり、これは実際に読み込んでみなければわかりません。そのため作成・印刷が完了したものは、1度QRコードが正しく読み取れるか、自身のスマホや携帯で必ず確認してください。
またスマホ・携帯は機種によって認識率が変化するため、可能であれば複数人でチェックすると安心です。
情報管理に注意する
QRコードは誰でも簡単に作成や情報取得ができる特性上、情報漏洩や不正利用が起きやすいのがデメリットです。特にBtoC企業の場合は、顧客の情報を扱うことも多いため、トラブルが発生すると企業としての信頼を損なう事態になりかねません。QRコードを作成・活用する際は、情報管理に十分注意してください。
まとめ
今回は、無料でQRコードが作成できるツール・ソフトや、その活用方法などについて紹介しました。QRコードは使う側にとっても、つくる側にとっても非常に便利なものであり、デメリットも情報管理や作り方に多少の注意が必要な程度です。今回紹介したツールはすべて無料で利用できますので、ぜひうまく活用して集客につなげてくださいね。